2021/06/01 02:52


後左/Rhythmking(不明)後右/metoro A-201(名古屋楽器)前/morena 350(テイハツ)

'70s前半くらいまで、国産のフォークギターが国内(アメリカへの輸出モデルはもう少し前から多数ありましたが)でも販売されるようになるまでスチール弦を使用するギターといえばこのスタイルでした。ヤマハダイナミックギターが有名ですが、ヤマハだけでなく、他社からも有名無名問わずけっこう出ていました。ちなみにこれらを総称して「ダイナミックギター」と呼ぶことが多いですが、この名称はヤマハの商標なので、他社のものはそうは呼ばないのが正しく、総称するなら「鉄線ギター」「歌謡ギター」などと呼ばれるモデルです。ダイナミックギターはトップのブレーシングが専用の特殊な形(伊藤翁介氏による「表板力木構造の特許」)をしていますが、多くはクラシックギターのブリッジ、サドルとチューナーを鉄線を張れるように改良(?)しただけで、さらにブレーシングもクラシックギターのようなファンブレーシングなどではなく、ラダーブレーシングであることが多いです。この3本も材不明(合板)ラダーブレーシングで、Rhythmkingはけっこう廉価な感じですが、morenaはきれいなサンバースト、サウンドホール周りのインレイ、小さなピックガードも手の込んだ感じ。metoroもしっかりとしたバインディングが入っていて、それほど廉価なものではないように見えます。この手のモデルは皆アジャスタブルロッドではないネックで(鉄線に対する強度を稼ぐためか)厚めですが、Rhythmkingはナット幅約45mm、morenaは約46mmで、クラシックギターのネックとして考えればむしろ狭めで、約52mmあるmetoroも素直なシェイプで、あまり握りにくさはありません。morenaは順反りが強くあり、だいぶ修正しましたが、弦高がやや高めに感じますが、Rhythmkingとmetoroは概ね良好で、低く弾きやすくなっています。morenaのボディのバラの絵は美術系の女子に依頼して描いてもらったオリジナルです。

(metoro A-201 demo)
(morena 350 demo)

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