2018/08/28 18:08
60年代後半~70年代のはじめくらい。まだ日本でギターといえばクラシックギターのことで、所謂「フォークギター」というものは国内ではあまり出回っていなかったころ。
アメリカのメーカーや商社からのオファーで、普及品的なギターをたくさん作って輸出しました。
(有名になったヤマハの赤ラベルFGなども元々はそういうものの中のひとつであったということです)
ちょうど今、アジアなど人件費が安い国に出して廉価な製品を作るのと同じで、当時はまだ日本もそういう国だったわけですね。
このころ日本から輸出されたギターは今でもアメリカ国内にはたくさん残っているようで、もちろん全部ではありませんが、よくできていたものは評判もよかったようで、今でもそれを愛好するプレイヤーやコレクターが多く、MIJ(Made In Japan)ギターと呼ばれ、ネット上にフォーラムのようなものをよく見かけます。
このTele-Starもそんなギターの中の一本です。
このブランドを売っていたのは、Tele-Star music instrumnt corpration of New Yorkという会社で、60年代後半~83年までギターなどいろいろやっていた会社で、これを作っていたのはそのほとんどがカワイだったようです。
そしてこのW-10はたぶん70年代のもので、ドレッドノートではないけど大きめのボディで、ルックス的にはどことなくHarmony Sovereignのような雰囲気ですね。
ピックガードはオリジナルもこういう雰囲気のものですが、これはどうやら後付けのようです。ペグは少々動作が悪かったので、グローバーに交換しました。
ナット幅40mmと狭く、薄めのネックで、どちらかというとエレキギター的なフィーリングで、握りやすく、弾きやすいです。
ほんの少しボディがたわんでいますが、弦高は今のところオッケーです。ちょっと怪しげなアジャスタブルサドルも一応機能します。
こういったものの後、日本のアコースティックギターはだんだんとマーチンスタイルのコピーものが主流になって行きますが、このころはまだギブソンやハーモニーなどのちょっと派手な、いかにもアメリカンな雰囲気のものも多かったのです。
日本の「フォークギター」の夜明け前、試行錯誤の時代のMIJギターはどうですか?
こいつでいっちょうブチかましてみませんか?