2018/08/21 16:01

50年代、60年代くらいにアメリカではジャンゴラインハルトで有名なセルマー/マカフェリギターのマカフェリのISLANDERをはじめいろんな会社がさかんにプラスチック製ウクレレを作りましたが、そう、日本にもありました。

 

 

(写真右はISLANDERウクレレ)

サイコラック(ABS樹脂)という材質で作られたNipph Cycolacウクレレです。

このサイコラック(ABS樹脂)という素材がパテントであったようです。

ISLANDERとよく似たマーチンスタイルのボディですが、ヘッドが少し大きく、ネックはISLANDERのゴロンとしたネックより少し薄く、同じ12フレットジョイントですが、ボディ上に延びて17フレットまであります。ISLANDERのような0フレットはありません。

経年の劣化や痛み、汚れなどはありますが、致命的な破損はなく、状態は非常によく弾きやすいです。

ISLANDERのパテントが切れた後、アメリカではよりおもちゃ色の濃いものも多く作られましたが、このNipph Cycolacはきちんと楽器です。

 

 

残念ながらアメリカでも日本でもスタンダードにはならなかったプラスチック製ウクレレですが、半世紀前、当時の技術の粋を尽くして作られたウクレレです。

ネックを握ると当時の試行錯誤が掌から伝わってくるような、そんな気がします。