2018/08/17 15:37

 "Fast Action"はアメリカのハミルトン社が50年代から出していたスプリング式(写真にはスクリュー式も)のカポタストです。

ハミルトン社はパテントを取らなかったので、その後70年代くらいにはドイツ製や日本製のものがたくさん出回り、このスタイルのものは現代でも作られています。
ここにあるのは(たぶん)その70年代くらいの日本製のものです。
もとはネック裏を押さえる部分はフェルトでしたが、日本製のものはハミルトン製に比べ分厚いものが着いていて、これが柔らかく、すぐに寝てしまう(古いものの多くはこの部分がダメになっています)など劣化が早く、これによりネック裏に傷をつけてしまうようなトラブルも多かったですが、リペアに際してこの部分をコルクにして、使い勝手をよくしました。
70年代くらいにはカポといえばこのスタイル(ゴム式のものなどもありましたが)でした。
当時は大きい、重い、ギターに傷をつけそう、、など、けっこう嫌う人も多かったですが、そう、たしかに今のものに比べると少々重量はありますが、大きさに関しては現在ずいぶんと普及しているクリップ式のものも長いレバーが突き出る形になるし、むしろこちらの方が手の平で握れる分だけ力もいらないと思うし、どうしても横から挟む形になる現代のものに比べ、まず弦側の位置を決めてから挟んで、ほぼ真後ろから力がかかる(とくにスクリュー式の方はここがいいところです)ハミルトン式は非常に理にかなっているものだと思います。
同じスタイルのものですが、あちこちいろいろなところが作っていたものなので、ひとつひとつちょっとずつちがったりします。
そして最近は(まだ材質など思案中ですが)弦を押さえる部分のチューブに色のあるものも試しています。
40年以上たった今も機能的に何も問題がない頑丈な造りで、今もなおばっちり現役の古き善き時代のカポはどうでしょう?

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